雑誌取材で出合った魅力的なインテリアから 目標にしていた洋書のようなムックが誕生
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主婦の友社 編集部
雑誌取材で出合った魅力的なインテリアから 目標にしていた洋書のようなムックが誕生
タイトル | Natural & Relaxing home くつろぎのナチュラルインテリア |
著者 | 主婦の友社編 |
URL | https://amzn.asia/d/1poBODe |
出版社 | 主婦の友社 |
サイズ | ムック |
ページ数 | 116ページ |
担当 | 編集・プロデュース(企画、構成、編集、校正、装丁ディレクション、撮影ディレクション、 ) |
協力 | 表紙デザイン PLANETPLAN DESIGNWORKS |
書籍紹介
ナチュラルでくつろげるインテリアのヒントを美しい実例写真で紹介。リビング、ダイニングなど部屋別の実例に加え、“くつろぎ感”の演出法をキーワード別に解説したムック。
目次
Natural&Relux
Storage&Display
Texture&Element
きっかけ
雑誌PLUS1LIVINGのインテリア写真で今までにないインテリアムックをつくろう
雑誌PLUS1LIVINGは、素敵なお住まいを取材・撮影する実例紹介が人気の雑誌で、魅力的なインテリアの実例写真を再編集し、数々の別冊ムック※1を出版してきました。
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※画像出典:プラスワンリビングInstagram
代々の編集長がロングセラーのムックシリーズを手がけてこられたのですが、このムックを企画するときには、今までになかったインテリアムックのシリーズをつくると決めました。海外取材も含め、魅力的な実例取材ができている今こそ、それができる!と考えたのです。
※1.ムック・・・ムック(Mook)とは、マガジン(Magazine)+ブック(Book)の造語で、雑誌のような装丁、フォーマットの書籍のこと。雑誌の人気企画からムックを制作する他、ブランドが世界観を伝えるのにムックを用いることも多い。主婦の友社は、ムックをはじめて作った出版社で、ムックの草分け的存在。
想い
洋書のように飾っておきたくなる。長く愛されるインテリアムックを作りたい
主婦の友社に入社して4年目の1994年に、インテリア雑誌の編集部に異動。その当時から編集部で参考にしていたのは、洋雑誌でした。イギリスやアメリカから取り寄せた「COUNTRY LIVING」や「MARTHA STEWART LIVING」を見ては、どんな撮影をしようかと胸を躍らせていました。「いつか洋書のように飾っておけるムックをつくりたい」。そんな風に思っていました。
取材で沢山の読者の方のお宅を拝見しましたが、素敵なインテリアのおうちには、必ずと言っていいほど洋書が飾ってありました。
「書籍もインテリアの一部。洋書のような書籍にはニーズがある。」
インテリア分野の編集者になって20年近く、ついにその夢を叶えることにしました。
企画
雑誌を手に取る読者の想い寄り添う、飾れて役立つインテリアムック。
読者のお宅を取材・撮影したインテリア実例には、住み手の世界観が現れた魅力的な写真がたくさんありました。ただそれを集めて編集するだけでも素晴らしい。けれども、洋書ではなく、日本語で書かれたインテリア・ムックです。ただ眺めるだけではなく、そのインテリアのポイントやテクニックを伝え、読者に取り入れてほしい、と考えました。ただ「素敵」ではなく、素敵の「理由」がわかる。そんなムックを目指しました。
日本の書籍は役に立つけど飾れない。でも、洋書は飾ったり、インスピレーション源にするのはいいけど、生活様式が異なる日本では実用性がない。そんなジレンマを埋める、読者の想いに寄り添う、インテリアとして飾れて役立つムックです。
カタチにする
雑誌で取材したインテリア実例から選りすぐった写真に、プロのアドバイスを添える
編集作業は、過去にPLUS1LIVINGで取材したインテリア実例から、テーマに合う写真を選ぶことから始まります。今回は、編集ライターの小沢理恵子さんからの提案を受け、インテリアやライフスタイルに造詣の深い上野朝子さんにアドバイスをいただくことにしました。エディトリアルデザインは、雑誌「Bon Chic」を担当いただいたPLANETPLAN DESIGN WORKSの草薙伸行さん。インテリア洋書のテイストを取り入れ、写真は大胆に大小をつけて伸びやかに、文字は少なめだけど読み応えもある誌面が完成しました。
日本語の文字がほとんどない表紙。ナチュラルカラーのトーンの印刷にもこだわる
表紙用の写真は、スタイリストの小山佳子さんにお願いし、ハウススタジオで撮影しました。書籍タイトルはあえて英語に、サブタイトルのみが日本語でほとんど文字がない表紙デザインにしました。ナチュラルカラーの微妙なトーンの写真は、印刷での表現がとても難しいのですが、PLUS1LIVINGでもお世話になった凸版印刷の技術担当の方に色校立ち会いをしていただき、完璧な表現ができました。
見本が届いたときに、思わず歓声を上げてしまったほどでした。
届ける
発売後、届いたのは、「この本自体がインテリアの一部になる」「洋書のインテリア本をながめているような感じ」という声。加えて、「登場する家の多くが日本の家というのも現実味があってよかったです。」と、内容への満足度がうかがえる声。飾れるだけなら、洋書でいい。ちゃんと役立って、なおかつインテリアの一部となる。このコンセプトがちゃんと読者に届いていました。
沢山の声の中で、印象的だった読者レビューをご紹介いたします。
インテリアについての素敵なインスピレーションが欲しくて購入。
日本語のインテリア本に珍しい、洋書っぽいつくりが素敵です。
この本自体、ディスプレイとしてもいけます。
「どんなテイストのインテリアであれ、人は自然のものに癒されるというのは共通です」というような言葉があり、木の家具や天然素材のかご、麻のファブリックなど、温かみのあるアイテムを使ったナチュラルなテイストのインテリアが素敵でした。
「きめすぎないこと」「どこか抜け感をつくること」というところになるほどと思いました。
ついついおしゃれにしようとしてきめてしまいがちですが、ごろんとくつろぎたくなるリラックス感には、びしっときまりすぎてない配置やアイテム選びも大事なんだなと思いました。
Before/Afterの写真つきでインテリアのヒントが説明されているページも、初心者にはうれしい。
生活感のないモダンなインテリアやホテル風インテリア、ヨーロピアンテイスト・和風・アジアンリゾート風がお好みな方にはあまり向かないかもしれませんが、ディスプレイにもなるし、くつろぎタイムにぱらぱらめくると癒されるし、手元にあるとちょっと素敵な一冊です。
(Amazonレビューより)
このムックを出版したのは2010年。もう10年以上前になり、印刷自体はされていませんが、販売後長く手に取っていただける書籍になりました。
その後
シリーズの『Living with COLORS』を出版。
有隣堂恵比寿店で並べて面陳され、伝わる喜びを味わう
『Natural & Relaxing home』に続いて、同じシリーズで『Living with COLORS』を出版。表紙は同じスタイリスト&エディトリアルデザイナーに担当していただき、私にとっては、この2冊は双子の姉妹のようで、愛しくて思い入れのあるムックとなりました。
そして、出版後しばらくして立ち寄った有隣堂恵比寿店で、雑誌の棚にこの2冊が並べて陳列されているのを目にしたのです。そう、企画を立ち上げるときに思い描いた、「インテリアとして表紙を飾って欲しい」という想いが、書店員の方にも伝わっていたのです。
当時は、「書籍の顔は表紙。文字で魅力を伝えなければいけない」という社内文化でした。この為、この企画は、私にとって大きなチャレンジで、不安もありましたが、作ってよかった。私が22年間の出版社勤務時代に、何度か味わった「伝わる喜び」。想いを込めれば、ちゃんと伝わる。そう確信した瞬間でした。
今回のお客様
依頼者名 | 主婦の友社 編集部 |
概要 | 大正5年創業の出版社。生活雑誌、ファッション誌から書籍迄幅広く取り扱っている。 |
URL | https://shufunotomo.co.jp/ |
利用サービス | その他 |