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- 【著者インタビュー】「自分を大切にしていい」40代の揺らぎを力に変える~ライフコーチ・ロックウッド香織さん~
「あなたの編集者」、Kindle出版プロデューサーの藤岡信代です。
2025年5月に出版された書籍の著者インタビューをお届けします。
オーストラリア・メルボルンを拠点に活動するライフコーチ兼アーティストのロックウッド香織さんが、このたび『40代からの「しんどい」を「わたしらしい」に変える 大人の思春期歩き方ガイド』を出版されました。Facebook での「本を書く」宣言からわずか3ヶ月での出版という驚異的なスピードの背景には、40代女性特有の心理的変化への深い洞察と、「今思っていることを整理したい」という切実な想いがありました。
このコンテンツの内容
――今回出版された本について教えてください。
ロックウッド香織さん(以下、香織さん): 『40代からの「しんどい」を「わたしらしい」に変える 大人の思春期歩き方ガイド』という、ちょっと長いタイトルがついているんですが(笑)、40代の女性に向けて書いた本です。私自身も40代後半で、そろそろ50代が見えてきたという時期に、今まで考えてきたことの集大成として書きました。一言でまとめると、40代の女性に向けた応援の本という感じですね。
――本を書こうと思われたきっかけは何だったのですか?
香織さん: 実は全然本を書こうと思っていなかったんです。年末年始にかけて、父親が入院したり、自分では想像していなかった出来事がバタバタと起こり始めて。そのときに、今思っていることを外に出さないと、自分の中がぐちゃぐちゃしていて生きにくいなという感情があったんですね。
ブログなどで断片的に発信するのではなく、今思っていることをすべてまとめて、頭の中を整理整頓したいと思ったときに、本にしたいというアイデアが浮かんできました。
――Facebook で「本を書く」と宣言されたそうですね。
香織さん: はい。思いはあったけれど、本をどうやって書いていいのかも全然わからなかったので、まずは決意を宣言するためにFacebookに投稿したんです。そうしたら、すでに出版されているお友だちが藤岡さんとつなげてくださって、そういったご縁で出版することになりました。Facebookに投稿したのが2月で、2月後半から藤岡さんとお話を始めて、実際に書き始めたのは2月末から3月頭ぐらいでした。
――構成が「破壊と再生」の二部構成になっています。この発想はどこから?
香織さん: 本を書く前から「破壊と再生」という言葉は自分の中にありました。20代、30代の成長って、どんどん積み上げていく、上に登っていく、一直線の成長曲線として捉えていたんですね。でも40代になってからは、今までやってきたことを一旦更地に戻して、真っ白な気持ちで自分を捉え直さないと先に進めないという気持ちになったんです。
40代からの成長には、一度壊す勇気を持つことが必要なんじゃないかと思ったんですね。壊すことは過去の自分を否定するようで怖いけれど、それをいかに前向きに捉えられるかを第二部の「再生」で書きたいと思いました。
――ご自身も「破壊と再生」を体験されたのでしょうか?
香織さん: 40代になっていろんな役割がくっついてきて、私は36歳で息子を出産したので、母親としての役割もありました。その後2人目がなかなかできなくて不妊治療をしていたんですが、結局授かれなくて。自分がコントロールできないことがたくさんこの世の中にはあるということを、ひしひしと身に感じていました。
それまでは「頑張れば何でもある程度は達成できる」というマインドセットで生きてきたんですが、そうじゃないことを経験して。さらにパートナーシップもギクシャクしていく時期があって、妻としても母としても、一旦手放したキャリアとしても、「私って本当に誰なの?」という状態になったんです。
それまで思っていた自分がいなくなっちゃったような気持ちになったときに、その自分を一旦手放して、違う角度から見てみることで前に進むきっかけになればと思ったんです。
――「再生」のきっかけは何だったのでしょうか?
香織さん: 捉え直しがうまくいったのは、今の時点で自分を大切にできる選択を一つずつしていくことでした。母親として子供を優先したり、周りを優先することが身に染みついてしまっていたので、まず「自分自身を大切にしてもいいんだよ」という許可を自分に出すことから始めました。
小さな日常の中で自分を大切にするって具体的にはどういうことなのか。誰かに迷惑をかけることになるかもしれないけれど、その小さな選択を積み上げていくことで、自分を大切にできるという習慣がついていくんだと思います。
――絵を描くことも始められたそうですが、それもその流れの中で?
香織さん: 絵を描くことは小さいときから好きだったんですが、気づかないうちに周りからの期待や社会の常識に自分を当てはめて、大きな波風も立たずに受け入れられるような選択をしてきたんですね。でもコロナになったときに、「このままじゃもう嫌だ」という思いの方が強くなって、今までやってきたこととは全く関係ないけれど、絵を描いてそれを仕事にしたいと思うようになりました。
実際に絵を描くようになって、たくさんの方に「元気をもらった」「楽しみにしています」というメッセージをいただいて。私が好きなことを好きなようにやっていても、それで助かる人、元気になる人もいるんだということがわかったんです。私がやりたいことをやるのが、世の中のためになることもあるに違いないという捉え方に変わりました。
――これから本を書きたい方に向けてアドバイスをお願いします。
香織さん: 本を書く理由は人それぞれだと思うんです。マーケティングの一部として書きたい方もいれば、たくさんの方に想いを届けたいという方もいると思います。でも、本当に自分が何かを伝えたいという想いがないと、わざわざ本という形にするのは難しいなと感じました。
どれだけ自分が伝えたい想いがあるのか、何を相手に知ってほしいのか、自分の経験や知識が相手の役に立つかもしれないという想い、そういった本を書く理由が自分の中で明確になっているかによって、途中で困ったことが起こっても前に進みやすくなると思います。
――今後の展望をお聞かせください。
香織さん: 言ってみて、できないことってないんだなと思ったので(笑)、また全然違うことに挑戦してみたいですね。絵を描いているので、画集にして出すとか、絵本を描いてみるとか。今はそれができる気がしてないんですけど、もしかしたら言っといたらできるかもしれない。
想いの種だけは自分の中に植えておいて、「これできるかもしれないな」というアンテナを立てた状態で、いろいろと行動していきたいと思っています。