• 2025.10.
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【著者インタビュー】入れ歯の悩みは「噛み合わせ」で解決する~歯科医師・福永朋美さん~

「あなたの編集者」、Kindle出版プロデューサーの藤岡信代です。
2025年10月に出版された書籍の著者インタビューをお届けします。

「入れ歯が合わない」「何度作り直しても痛い」―そんな悩みを抱えながらも、誰にも相談できずに我慢している方が数多くいます。実は、その多くが「噛み合わせ」という見えにくい問題が原因だと、今回お話を伺った福永朋美さんは言います。

埼玉で歯科医院を開業する福永さんは、噛み合わせを重視した特殊入れ歯や矯正治療を専門としています。2〜3年前から「入れ歯で悩んでいる方は多いのに、誰にも相談できない」という患者さんの声に応えるため、本の出版を考え続けてきました。そして今回、満を持して『入れ歯の悩みがすっと解決する本~噛み合わせから考える入れ歯治療~』を出版されました。患者さんが本当に知りたかった「噛み合わせの真実」と、執筆の舞台裏について詳しくお聞きしました。

今回出版された本について教えてください

福永朋美さん(以下、福永さん):『入れ歯の悩みがすっと解決する本~噛み合わせから考える入れ歯治療~』というタイトルで出版しました。入れ歯で悩んでいる方は本当に多いんです。でも、誰にも相談できないという方がとても多い。
実際に私のところに相談に来る方も、いろんな歯医者さんを回ってきたり、誰にも相談できなかったりという方ばかりです。でも、お話を聞くと、実はとても簡単に解決できる問題だったりするんです。だから、その解決の糸口を皆さんに知ってもらいたいと思って、この本を書きました。

「簡単に解決できる」というのは、問題が共通しているということでしょうか?

福永さん:そうですね。まず、問題を明らかにするのは歯医者さんの役割です。患者さんご自身が悪いとか、歯を汚くしているということではないんです。
噛み合わせというのは、誰にも分かりにくい。歯医者さんにも分かりにくいし、ご自身にも分かりにくい。その辺をシンプルにしっかり見極めて治療をスタートした方がいいということを、この本では伝えています。

噛み合わせは、どれほど重要なのでしょうか?

福永さん:とても重要です。例えば、顎がコキコキ鳴るとか、耳鳴りがするとか、口が開けにくいという症状から始まって、20代でしみるとか、なんだか知らないけど虫歯が多いということも、実は噛み合わせが影響していることがかなりあるんです。
よく「うちの親も歯が悪くて、遺伝だから」とおっしゃる方がいますが、それは噛み合わせが似ているとか、噛み合わせを引き継いでいるということなんです。その辺が明らかになると、治療はすごく楽になる。シンプルな問題になるんですよ。

虫歯も噛み合わせと関係があるんですか?

福永さん:はい、関係があります。噛み合わせが悪いと、歯がどうしてもすごく強く打ち付けられてしまって、「マイクロクラック」という目に見えないひびがたくさん入ってしまうんです。
ひび割れた地面に水がよく吸い込むように、お口の中のばい菌や歯垢が、そのひびの部分だけすごい勢いで吸い込まれてしまう。だから、ちゃんと歯磨きしていても、クリーニングに行っていても、穴が開いてくることがあるんです。
それから、歯の根元の部分がえぐれたようになることがありますよね。あれも、力がたわんで応力がそこに集中するので、そこの歯質が飛んでしまうんです。決して歯の磨きすぎではないんですよ。

噛み合わせはどうやって調べるのでしょうか?

福永さん:今の噛み合わせをすごく正確に模型にとって表したり、顎の様子を第三者的に見る検査があるんです。そういう検査を正しく受けていただいて、それを熟知している歯科医師が診断するというのがすごく大切なんですね。
今流行っているのは、インプラントだったり、マウスピース矯正だったり、How toの方が先に行ってしまうことが多いんです。でも、それよりも「なぜ」というところが明らかにされていないことが多い。だから、きちんと検査を受けて、自分がどのような状態なのかを知った後に、手段を選択された方がいいと思います。

保険は適用されるのでしょうか?

福永さん:残念ながら、今の日本の保険診療では、そういう精密な検査は全部自費治療になってしまいます。
何も問題がなくて、クリーニングだけしているような状況であれば、定期的に保険を利用して歯医者さんに通われたらいいと思います。でも、治療をすごく繰り返しているとか、何回行っても治らないとか、どんどん歯がなくなってくるというステージに入ったら、やっぱりちょっと立ち止まった方がいいんじゃないかなと思います。
歯は、食事とか会話とか、日常生活で幸せの度合いを左右するキーの一つだと思うんです。大切にしている方にとっては、とても大事な部分だと思います。

本を出版されて、どのような反響がありましたか?

福永さん:歯科関係ではない友人からは、「母が悩んでいて、この本が役に立った。本当にありがとう」といった声をいただきました。自分の大切な人の、さらに大切な人が幸せになれる可能性が広がって、嬉しいなと思いました。
それから、同じように噛み合わせを推奨している仲間の先生たちの励みにもなったようで、たくさんの応援をいただきました。

読者に最も伝えたかったメッセージは何ですか?

福永さん:私、実は歯医者を始めた頃、噛み合わせのことが分からなくて歯を治せなくて、やめようと思った時期があったんです。そのぐらい噛み合わせが治らないと患者さんを治せないんですよね。だから、そのぐらい噛み合わせはとても大事なことなんです。
それをちゃんと見て治療するかしないかというのは、もう天と地の差があるから。もし今何か悩んでいて、誰一人同じ人がいないので、なかなか他人に相談することが難しいと思うんですけど、もしこの本を読んで「ん?」と思うのであれば、誰かに相談した方がいい。その一歩踏み出す勇気を持つことが、すごく大事だなと伝えたいです。

執筆で最も大変だったことは何ですか?

福永さん:構成が決まるまではスムーズだったんですが、そこから書いていくのが大変でした。特に後半は、前半とのつながりを考えながら書く必要があって、細切れの時間でやっていると、どこにいるのか分からなくなってしまうんです。
それから、「自分の言葉で書く」ということ。書いていると、自分の専門的な言葉にどんどんなっていってしまって、読み手が誰かというのを見失いかけることがありました。読んでもらう人を常に意識するというところが、大変でしたね。

読者を意識するために、どんな工夫をされましたか?

福永さん:藤岡さんに教えていただいたのですが、全体を読んで立ち返るということと、書くときに、特に後半は細切れの時間ではなくて、ちゃんと時間を取るということです。
半日くらい時間を取った日もあったんですが、やっぱり長い時間の方が、内容もずれていかないんですよね。自分にゆとりの時間を作るというのは、すごく大事だと思いました。

一方で、うまくいったと思うことはありますか?

福永さん:藤岡さんに助けていただいて、枠組み、構成が決まるまではすごくスムーズでした。そこがしっかりしていたので、後から書いていく時も、立ち戻る場所があったんです。全体を見れる時間を取った方がいいということも教えていただいて、それが本当に役立ちました。

グループコンサルティングでの執筆はいかがでしたか?

福永さん:絶対に一人じゃない方がいいと思います。私は薬剤師のゆりえさんと一緒に頑張っていて、ゆりえさんが常に私の先で書いていたので、「やらなきゃ」「頑張らなきゃ」という気持ちがありました。
それから、もちろん藤岡さんがお尻を叩いてくださったので(笑)。一人だったら絶対にできなかったと思います。

本を書かれて、ご自身の中で何か変化はありましたか?

福永さん:自分がやってきたことを体系化することで、すごく整理ができました。自分のあり方も見直せるようになりましたね。
どういうことで困っている人を助けられるんだろうというところが、とても整理がついた。そこから新たに、より多くの人がハッピーになれる方法を考える、一つの軸になりました。本が一つの軸になったんです。どう伝えたらいいかとか、他に何ができるかとか、そういうアイデアがやっぱりまた湧いてきたりしています。

今後の展開についてお聞かせください

福永さん:噛み合わせは、いろんな角度から見ることができるんです。今回は入れ歯だったんですが、矯正だったり、普通の歯科治療だったり、いろんな角度から、困っているところに解決方法を提供できればと思っています。
特に、口腔育成だったり矯正だったり、少し若い世代の方に向けての本を書きたいですね。噛み合わせは「ゆりかごから墓場まで」と言われていて、生まれてきてから亡くなっていくまで、切っても切れない関係があるんです。今回は入れ歯というちょっと高齢の方向けの本だったので、この後は若い世代の方に向けての本を書きたいなと思っています。

最後に、これから本を出したい方にメッセージをお願いします

福永さん:こんな私でも書けました(笑)。絶対に藤岡さんがいれば大丈夫という気持ちがすごくあって。やっぱり仲間がいる、このグループにいるということはすごく大きいと思います。
絶対にできると思うので、ぜひ皆さんも頑張って出版してください。

著者プロフィール
福永朋美(ふくなが ともみ) 埼玉県で歯科医院を開業。噛み合わせを重視した特殊入れ歯や矯正治療を専門とする。患者さん一人ひとりの噛み合わせを精密に検査し、根本的な解決を目指す治療を行っている。

『入れ歯の悩みがすっと解決する本~噛み合わせから考える入れ歯治療~』
著者:福永朋美
Kindle書籍・ペーパバック発売中

書籍の詳細・購入はこちら

編集者より

福永さんのインタビューを通じて印象的だったのは、「噛み合わせ」という見えにくい問題を、いかに分かりやすく伝えるかという挑戦でした。
専門用語を使わず、読者が理解できる言葉で書く。これは、専門家の方が出版する際に最も苦労される部分です。福永さんも「自分の専門的な言葉にどんどんなっていってしまう」と語っていましたが、常に読者を意識することで、本当に必要としている方に届く本になりました。
また、グループコンサルティングでの執筆は、一人では続かない作業を完遂する大きな力になります。仲間の存在、そして適切なサポート。この二つがあれば、あなたの専門知識も必ず本という形になります。

もし、専門知識を一般の方に分かりやすく伝えたい、自分の体験を書籍という形で社会に還元したいとお考えでしたら、ぜひ一度ご相談ください。あなたの知見を必要としている読者に届けるお手伝いをいたします。


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